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遺産分割協議と遺産分割協議書

遺産分割協議と遺産分割協議書

①遺産分割協議書には実印を押さなければダメですか?

Q1.印鑑登録をしていないので、遺産分割協議書には実印ではなく、認印を押したいと思っています。ダメですか?

A1.遺産分割協議書自体には意思の合致あればよく、書面が必要なわけでもありません。書面を作るにあたっても、自署でもよく、認印でもかまいません。ただし、不動産の登記手続きなどは、形式が必要となります。役所は、印は印鑑証明付きの実印を要求します。印鑑証明は、市区町村役場に登録すればすぐにとれます。

②死んだらあげるといっていた物は、どうなりますか?

Q2.父は自分が死んだら某所の土地をあげると、常々言っていましたが、書面がないので、兄はそんなことはできないと言っているのですが?

A2.亡き父の土地をあげるという約束は、次のどちらかがないと認められません。

・贈与契約の証拠。書面でも証人でOKです。

・遺言書があること。(法律で認められたもの)

このどちらかがないと、単なるあなたの言い分でしかありません。

③預貯金関係だけでも分割したいのですが?

Q3.遺産は自宅と預貯金と株です。自宅と株については、協議が整わないのでとりあえず、預貯金だけを分割したいのですが?

A3.遺産は全体として相続分割の対象となるので、一部だけの分割は問題が生じる可能性があります。とはいえ預貯金だけの分割ができないわけでは、ありません。特に預貯金のような数字で割り切れるものは、相続と同時に分割されたとみなされるので、相続分に応じた分を取得できるのです。ただし銀行などは、手続き上、相続人全員の実印付の遺産分割協議書が必要となります。

④家の所有で話合いがまとまらないのですが?

Q4.遺産は自宅と僅かな預貯金のみです。二男の私が現在家にいますが、長男が帰ってくるそうでモメでいます。

A4.要は、預貯金の他は自宅の遺産分割ということです。これは遺産として分割する他ありません。現在二男が実家に住んでいるとしても、賃借権その他、特別の権利がない限り、分割することとなります。このような場合の分割方法としては、

・売却して代金を分割する

・一方が買い取る

というのが一般的です。まずは話合い、それでも協議が終了しないようであれば家庭裁判所の調停となります。

⑤遺産相続で話し合いがつかず、このままにしておきたい。

Q5.遺産は自宅のみで、だれが相続するのか、売却して相続するのか、代償分割にするのか、話し合いがつきません。

いっそうのことこのまま共有にしておいたらと思うのですが?

A5.遺産としての自宅をそのまま共有にしておきたいというのは、一理あります。しかしそれは、相続人全体として決めることです。遺産分割についての紛争中のため、共有のままになるということはたくさんある例です。まずは家庭裁判所での分割調停、それでもまとまらない場合は審判となります。

⑥共同相続のまま一族の財産にできるか?

Q6.長男が遺産分割はせずにこのまま共有にして一族の財産にしたい、と提案しました。そういうことはできますか?

また、何か問題が生じますか?

A6.遺産分割しないで共有にしておくことは可能です。しかし一族の財産という考えでは、ありません。まず、使用はだれがどのようにするのでしょうか?もし長男が独占するというのであれば、使用料の問題が出てきます。また利益をうむ遺産であれば、その配分の問題もあります。事態をはっきりさせて、合理的な解決をしておかないと、長続きはしません。

⑦母の面倒を見る約束で多く相続したい。

Q7.長男が母の面倒をみるから、自分が多く相続するのは当然だと言います。私はそれでもいいと思うのですが、その約束を守らせるにはどうしたらいいですか?

A7.母の面倒をみるということと、相続とは別問題です。まず合理的な遺産分割をして、別に面倒をみることの負担の問題を解決するべきでしょう。母の面倒を見ることは扶養ですから、子の全員の義務となります。現実に面倒を見る者と金銭的に負担をする者が存在します。お互いの思惑で、兄に面倒を見させて相続の配分を多くするのも一つの方法でしょうが、後々までうまくいくとは限りません。

⑧浪費家の相続人に条件を付けたいが。

Q8.相続人の一人がギャンブル好きで、家族にはかわいそうな思いをしています。そこで、相続人に遺産の一部を子の信託財産にするように注文をつけたいのですが?

A8.相続人が浪費家であるのと、相続とは無関係です。相続人の子に信託財産として残すには、浪費家の相続人とその子の信託契約になりますが、この契約が締結すればいいのですが、到底そうとは思われません。ただし被相続人が遺言書で取り計らいをしているのであれば別です。一例をあげれば負担付遺贈というのがあります。

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