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10.202022
相続の誤解①
相続における誤解①
法律には、勘違いあるいは都合よく理解している場合があります。今回はこれらをまとめて法律の誤解として、相続によくある誤解を紹介します。
× 内縁関係が長期間続けば内縁の妻(夫)にも相続権が発生する。
〇 内縁の妻(夫)には相続権はありません。
なぜこのような誤解が起こるのでしょうか?
まず内縁に関して考えます。
内縁・・・・実際は夫婦として生活していても、婚姻届けを提出しいない状態の事。
内縁の他に事実婚という言葉を聞きますが、現代ではほぼ同じ意味で使われています。
婚姻届けを出した夫婦を法婚姻といいます。内縁関係でも法婚姻を同じ権利が認められる場合もあります。例えば
- 内縁の相手に対して生活費を請求する権利
- 離婚した場合に財産分与を請求する権利
- 離婚した場合に子供の養育費を請求する権利
- 内縁の相手が亡くなった場合に遺族年金を受給する権利
逆に次ような義務も発生します。
- 同居、協力、扶助する義務
- 貞操を守る義務
- 婚姻費用の分担
- 日常家事債務の連帯責任
- どちらに属するかわからない財産の共有推定
- 財産分与の請求
上記のような権利、義務を見ると法婚姻の夫婦と区別がありません。しかしながら法律では法婚姻をしている配偶者にしか相続人にはなれません。その他は尊属、卑属、兄弟姉妹です。
よって内縁の相手の財産を受けるには、死亡前に財産分与を行い整理する。又は遺言による相続が必要となります。また遺言により相続を受けても、相続税控除がありません。
内縁関係は、法婚姻の夫婦と同じ待遇の権利を複数持っていますが、残念ながら相続はこれに当てはまりません。もし内縁の相手に何か財産を相続させたいのであれば、遺言が必要となってきます。
よくある例え話(実際にもあった話)ですが、内縁の夫婦で一生懸命働いてある商売を成功させたとします。(両親はすでに死亡、子供もいない、遺言書なし)この現状で夫が死亡すれば、この内縁の夫婦で築き上げた財産は、夫の兄弟姉妹が相続します。(内縁の妻は相続権なし)
逆に全ての財産を内縁の妻に相続させる趣旨の遺言書があれば、その遺言書通り内縁の妻が相続します。(兄弟姉妹には、遺留分なし)
本当に天と地のような話ですが。
機会があれば次回は、連れ子の相続についてお話したいと思います。
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