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農地所有適格法人を設立し、農地の所有権を取得したい

農地所有適格法人を設立し、農地の所有権を取得したい。

農家の仲間同士で法人を設立して、自分や仲間が所有する一部の農地をその法人に所有権を移転し、法人による農業経営を展開したい。

農地の所有権を取得できる法人は農地所有適格法人だけだと聞いたのですが、どのような法人を設立し、どのような農地の所有権移転の

手続きをすすめたらよいでしょうか?

1.法人として農地を所有するのか?

農地の所有権を取得できる法人は、原則農地所有適格法人のみですが、法人による法人による権利取得が貸借のみということであれ

ば、設立する法人は農地所有適格法人である必要はありません。

農地所有適格法人以外の法人の要件は以下の通りです。

(1)農地法(全地域)

①全部効率利用要件、②農作業常時従事要件、③下限面積要件、④地域とに調和要件

これらの要件を全て満たすことが必要です。ただし農地法の貸借は10年以上の賃貸借又は使用貸借を除くと、解約時知事等の許可や

当事者間の同意が必要となるため、現状では、農地法による貸借はあまり行われていません。

(2)農業経営基盤強化促進法(市街化区域以外)

農業経営基盤強化促進法に規定する利用権設定等促進事業は、農業経営基盤強化促進基本構想に基づき、市町村が農業の担い手に農地

を集積する農用地利用集積計画案を作成し、公告することによって計画が決定され、農地の利用権(賃貸借、使用貸借等)が設定される

事業です。農地の利用権設定を受けるためには、

①農用地利用集積計画の内容が基本構想に該当すること、②全部効率利用要件、③農作業常時従事要件

これらの要件を満たすことが必要です。

(3)農地中間管理事業法(市街化区域以外)

農地中間管理事業とは、都道府県ごとに設置されている農地中間管理機構が、農地所有者から農地を借り受け、インターネット等により借り手を募集し、農業の担い手となる借り手農地をまとまりのる形で利用できるよう農用地利用分配計画を定め、都道府県知事の認可を受け公告することによって賃貸借権等が設定される事業です。

農地中間管理機構による農地の斡旋を受けるためには、

①農地中間管理事業規程等に適合していること、②全部効率利用要件、③農作業常時従事要件

これらの要件を満たすことが必要です。

(4)都市農地貸借円滑化法(生産緑地)

都市農地貸借円滑化法により生産緑地を借り受けるためには、

①都市農業の有する機能の発揮に特に資する基準に適合する方法により都市農地において耕作に事業を行うこと、②地域との調和要件

③全部効率利用要件

これらの要件を満たすことが必要です。

2.設立する法人は、農地法に規定する農地所有適格法人の要件を満たしているか?

農地所有適格法人の説明に戻ります。

農地所有適格法人を設立するには、法人登記の際に下記の要件を満たすことが必要となります。

(1)法人形態の要件

①株式会社(株式譲渡制限会社に限ります)、②合名会社、③合資会社、④合同会社、⑤農事組合法会社(農業協同組合法に規定)

(2)事業要件

主たる事業が農業と関連事業(法人の農業と関連する農産物の加工販売等)であること。(農業と関連事業で売上げの過半を占めること)

(3)構成員要件

株式会社であれば、下記の株主に有する議決権の合計が総株主の過半を占めなくてはならないこと。

①その法人に農地の所有権若しくは使用収益権を移転した個人等

②その法人に農地の使用収益権に基づく使用及び収益をさせている個人

③その法人に使用及び収益をさせるため農地について所有権の移転または使用収益権の設定もしくは移転に関し許可を申請している個人

④その法人に農地を農地利用集積化円滑団体若しくは農地中間管理機構を通じ使用収益権等を設定した個人

⑤常時従事者

⑥農作業委託者

⑦農地を現物出資した農地中間管理機構

⑧地方公共団体、農業協同組合、農業協同組合連合会

(4)常時従事役員等の要件

常時従事役員等は次のいずれの要件も満たすこと。

①理事(株式会社にあっては取締役、合名会社、合資会社、合同会社にあっては社員)の過半がその法人に常時従事(年間150日以

上)すること。

②①に該当する理事若しくは重要な使用人(農場長等)のうち、一人以上が年間60日以上の農作業に従事すること。

3.設立する法人は、農地の所有権取得の要件をみたしているか?

法人を設立した後に、その法人が農地の権利を取得するためには、市町村(農業委員会を含みます。)にて手続きを進めることになり

ます。

その手続きとしては、下記のいずれかを行うことになります。

①農地法3条の許可を得る(全地域)

②農業経営基盤強化促進法の農用地利用集積計画による利用権の設定を受ける。(市街化区域以外)

③農地中間管理事業法による権利設定(市街化区域以外)

④都市農地貸借円滑化法による貸借(生産緑地、貸借に限定)

農地の所有権を取得したいということであれば、①の農地法3条の許可を得ることが迅速であり、一般的に手続きだといえます。

農地法3条の許可申請の手続きは、当該農地のある市町村の農業委員会にて行うことになりますが、農地の所有権取得を目的とした農地法3条の許可を得るためには、その法人が

①農地所有適格法人の要件と②農地法3条の許可要件を満たす必要があります。

許可を得た後はその法人は、登記所にて所有権取得の手続きを行うことになります。また原則農地の所有権を取得できる法人は、農地所

有適格法人に限られていることから、法人が所有権を取得した後には、その要件を満たしているか等の確認の為、毎事業年度終了後3ケ

月以内に農業委員会に報告をする義務があります。

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