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小型船舶船長の責務

船長の果たすべき責務

今から投稿する記事は、海事代理士の私が書く事柄ではないかも知れませんが、書きます。小型船舶の船長には、遵守事項(必ず守らなければならない事項)があるのがご存じですか?最近、小型船舶免許を更新した方は、更新講習で聞かれたと思います。あまり耳にしない言葉だなあと思われたた方は、ご自分の小型船舶操縦免許証の裏面を見てください、小さい文字で右上に書いてあります。これが“船長の遵”守事項です。これは

船舶職員及び小型船舶操縦者法第23条の36項

に定められています。この船長の遵守事項を守っていれば、必ず安船舶を全に航行できるというものではありませんが、船長の必要最小限の責務だと思って下さい。

(ちなみに大型船舶の船長の果たすべき責務は、船員法に定められています。小型船舶の船長の多くがこの船員法の適用外となる場合があるので、この船長の遵守事項が定められているようです。)この遵守事項を少し詳しく書いてみます。

 

  • 酒酔い操縦等の禁止

飲酒等の影響により、注意力や判断力等が著しく低下しているなど、正常な操縦が出来ないおそれがある状態で、操縦することの禁止。

  • 免許者の自己操縦

下記の場合免許者自ら、船舶の操縦を行わなければならない。

・港則法に基づく港の区域を航行するとき。

・海上交通安全法に基づく航路を航行するとき。

・特殊小型船舶に乗船するとき。

  • 危険操縦の禁止

・遊泳者その他の人付近において、小型船舶をこれらの者に危険を生じさせるおそれがある危険操縦の禁止

・遊泳者その他の人の付近において小型船舶を急回転し、又は縫航する操縦の禁止。

  • 救命胴衣の着用義務

・小型船舶の船長は、小型船舶の乗船者に救命胴衣を着用させなければならない。

(一部着用の除外規定もあります。)

 

※注意平成30年2月1日より全ての小型船舶に乗船者に対し、救命胴衣の着用が義務付けられました。

  • 発航前点検の実施

小型船舶の発航前には、航行の安全に支障をきたさないように、燃料やオイル量の点検、気象、水路情報等の収集、船体の状態等の検査を実施しなければなりません。

(特に気象情報の収集は、必ずしてください。現在では発航前に気象予報を入手しておけば、天候が急変したなどと言う事は、ほとんどありません。現在の気象予報は、優秀です。)

  • 見張りの実施

視覚、聴覚及びその時の状況に適した他の全ての手段により、常時適切な見張りを確保すること。

(見張りは船舶を安全に航行させるための基本です。)

  • 事故時の対応

操縦する小型船舶が衝突したとき、又はその小型船舶に急迫した危険があるときは、人名の救助に必要な手段を尽くさなければならない。ただし自己に急迫した危険があるときは、この限りではない。

また上記の遵守事項違反にはそれぞれに違反点数が定められています。

 

酒酔い操縦等の禁止、免許者の自己操縦、危険操縦の禁止、見張りの実施

・・・・・・3点

救命胴衣の着用義務、発航前点検の実施

・・・・・・2点

また違反行為により他人を死傷させたときは、上記の点数に3点が加算させます。

違反点数の付与、行政処分、再教育制度については、こちらを参考にして下さい。

ここで何か気付くことは、ありませんか??

そうです、“事故時の対応”がないですね。違反点数が設定されていないということは、点数が引かれることはありません。なぜこのようになっているか分かりませんが、万一事故の発生に遭遇したときは、必ず人命を最優先してください。当たり前ですよね!!!当たり前過ぎて入ってないのでしょうか。とにかく

 

小型船舶船長の遵守事項を守り安全な航行に心掛けましょう。

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