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11.82023
相続財産の疑問
こんな相続財産はどうすればいいのか?
①亡き父が田舎に相続財産があると言っていたが、どうすればいい?
Q1.父が生前、田舎に土地があるといっていたのですが、どのように調べればよのでしょうか?
A1.田舎に土地があるといっても漠然としていますが、恐らく過去に居住していた場所に土地があると思われます。また土地があれば固定資産税がかかってきますので、固定資産税納税通知書(自治体により名称が違う場合もあります)が自治体から送られてきますので、探してみるのも良いでしょう。また過去に住んでいた自治体から土地の名寄せ帳をとることもできます、これも有効な手段です。
②借地(賃借権)も相続財産ですか?
Q2.実家は借地で兄名義の建物が建っています。この借地は、相続財産ですか?
A2.借地権も権利として相続財産の一部となります。ただし借地権の権利者が被相続人であるかどうかにより資産であるかどうかが決まります。また、借地に対する家屋の敷地使用の権利がどのようなものであるかによっても、遺産の評価がかわります。
③事故の損害賠償は相続財産ですか?
Q3.交通事故で父が死亡し、加害者(保険会社)に損害賠償の請求をしますが、この損害賠償の全部が遺産となりますか?
A3.損害賠償請求の内容が亡父の逸失利益、慰謝料の請求であれば、全て相続財産です。請求の内容の一部が例えば他人の車の修理代などであれば、その修理代は、相続財産ではありません。
④会社が掛けていた生命保険は、相続財産ですか?
Q4.会社が父に生命保険を掛けていましたが、この保険金は、全額遺族がもらえますか?
A4.会社が被相続人を被保険者として掛けていた保険がどのような趣旨のものであったかが問題となります。被保険者個人(従って相続人)の権利として、保険会社またはいったん受け取った会社に対し支払い請求ができる事が多いです。しかし、会社も重要な従業員の継続的存在につき財産上の利害関係を有することがあるため、被保険者の同意を得て会社のために保険を掛けることもあります。この場合は相続財産とは言えません。
⑤父の保証人の義務も相続するのか?
Q5.父は生前友人の商売の保証人となっていました。この保証人の地位も相続人は相続するのですか?
A5.保証人となっていたのであれば、その相続人は保証人の地位、すなわち責任を相続し引き継ぐことになります。
しかし、連帯保証人(または連帯債務)でさえなければ、保証人には「分別の利益」があり、保証人の頭数で割った分が負担となります。
⑥生前にもらった物の特別受益分の評価は?
Q6.私は、10年前に亡き父より約2,000万円のマンションを買ってもらいました。現在は時価1,000万円ですが特別受益としての評価額はどうなりますか?
A6.特別受益の評価はかなり複雑です。民法904条で定められています。それによると、「贈与の価額は価格の増減があったときでも相続開始の時、原状であるものとみなして定める」となっています。従ってマンションはそのまま(原状で)あるものとして現在の評価をすることになります。現在の時価が1,000万円ならその額となります。
⑦死んだ父が相続人に貸した貸金はどうなりますか?
Q7.亡き父は二男に約1000万円を貸していましたが、二男はもらったものだといいますが、借用書も残っています。この貸金は相続財産として回収できますか?
A7.親子間でも金銭貸借は有効です。借用書も残っているなら相続財産中の債権として残っています。従って回収することもできますし、遺産分割の上で相殺することもできます。1,000万円が二男の相続を超えるのであれば、別途回収して、他の相続人が相続分に応じて分けることになります。
⑧騙されてとられた土地を取り戻すことはできますか?
Q8.ある詐欺師に引っ掛かり、父は土地をとられて無念のうちに亡くなりました。できれば取り戻して相続したいのですが?
A8.被相続人が詐欺にあったのであれば、相続人はその取消権や損害賠償請求権、刑事上の告訴権を相続により引継ぎます。従って相続人自身が詐欺に引っ掛かった場合と同様の対処が可能です。ただし騙されて取られた土地を取り戻せるかどうかは、別問題です。
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