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任意後見契約の三つの形態

任意後見契約の三つの形態

①「将来型」任意後見契約

任意後見契約を締結するにあたり、現状本人が特に不安や問題意識を感じてなく、支援を希望していない場合には、将来、判断能力・事理能

弁識能力が低下し任意後見契約が発行するまでの法的支援をしない「将来型」任意後見契約があります。

契約には、将来委任者の判断能力等が低下した場合に、任意後見受任者は、任意後見監督人の選任の申し立てをする旨の条項が規定されてま

すので任意後見受任者が、委任者の判断能力に配慮し、適切な時期に任意後見監督人選任申し立てを行わない場合には、契約上の債務不履行責

任を負うことになります。そこで任意後見受任者適せな時期に任意後見監督人申し立てをすることを確保するために、委任者の生活状況や判断

能力等の変化に気付くための方法が必要です。この方法としては、委任者と任意後見受任者が定期的に連絡を取り合うといううことになります

が、面会や電話の他最近では、メールなどの電子機器等の媒体を使用した方法も考えられるでしょう。この連絡を取り合う仕組みとして、委任

者と任意後見受任者のどちら側から連絡を取るのか、その頻度はどの程度とするのかについては、両者が合意の上で決定することになります

が、一般的には1~2か月ごとの連絡と3~4月ごとの面談とされている契約が多いようです。

②「移行型」任意後見契約

委任者において、日常生活上何らかの支障が生じていたり、不安を感じている場合で、将来の任意後見契約が発効するまでにおいても、任意

後見受任者による支援の要請がある場合には、一定の代理権を定めた委任契約と任意後見契約とを関連付けて契約することができます。この形

態を「移行型」任意後見契約といいます。

委任契約においては、判断能力が十分であることを前提に、財産管理を含めた委任事務を定め、判断能力が低下した際には、任意後見契約に

移行する流れとなります。

③「即効型」任意後見契約

任意後見契約は、任意後見契約が発効した際の委任者に希望や支援の必要性に合わせて、契約当事者が契約条項や代理権の内容を自由に決め

られることがその特徴の一つとされており、委任者自身が契約形態を自らの意思で選択する能力と判断力を持っていることが前提です。委任者

の判断能力の低下が既に認められる状況で任意後見契約を締結するという「即効型」については、学識者や実務家から締結に際しては十分慎重

に検討するよう注意が呼びかけられています。その理由としては、判断能力が不十分な状況における契約では、委任者が契約内容及びその効果

を十分理解できない場合や、契約当事者間の間において信頼関係が未だ構築されていないなど、任意後見契約の重要な要素を欠いた状況で締結

された任意後見契約では、契約が発効されていても、その効果が十分発揮されていないことになるからです。また意思能力を有しない者がした

法律行為が無効になったり、あるいは任意後見契約締結における意思表示がそれに対応する意思を欠く錯誤に基づく意思表示であるとして、取

り消されることもあります。委任者の判断能力が懸念される場合には、支援者からの情報や医師の診断書を取るなど客観的な判断を行い、仮に

補助程度を含めて本人の判断能力の低下が疑われる場合には、原則として、任意後見制度ではなく法定後見制度の利用が推奨されます。

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