成年後見業務

#image_title

「成年後見」って何ですか?

 ①「判断能力」って何ですか?

   日常生活は「決断」の積み重ね

日々の仕事や家事、買い物、趣味や友人との付き合い、病気の療養や健康管理、銀行や役所での手続き、何を食べ、どんな服を着て、ど

こへ出かけて何をするのか、私たちはその都度決めて実行しています。では、それができなくなった時のことを、考えたことがあるでし

ょうか。生活で何か不足がしょうじても自分では対処できず、代わりにやってくれる人もいない。自分のお金を自由に使えなかったり、

さらには、病気やケガをしても必要な治療や介護を受けられない、お金や大切なものを騙し取られる。など自分で自分のことを決められ

ないといううのは、恐ろしい状態です。自分らしく安心、安全に暮らすために欠かせないのが「判断能力」です。疲れていたり、イライ

ラしていたりすると判断能力は低下します。「そして思わぬ失敗をした」という経験は誰にもあると思います。問題なのは判断能力の低

下した状態が一時的でなく、ずっと続くことです。そうなると自分で「選び」「決める」のは難しくなります。「認知症」「知的障害」

「精神障害」などが原因で判断能力が常に低下する病気や障害がいくつかあります。そしてこれらの病気や障害の状態となる可能性は全

ての人にあると言うことです。

 ②家族でもお金を引き出せないのはなぜ? 

   全ての財産には名前がつている

普段の生活において、何をするにもお金がかかります。まずは、「経済的な価値がある財産には全て持ち主の名前がついている」という

原則を知っておいてください。預貯金、不動産、年金、保険など、財産は様々な形で存在しますが、その全てに持ち主の名前、つまり

  「名義」があります。そして「名義は個人単位」であり、夫婦単位の財産などというものは有りません。不動産を共有する場合でも、それ

ぞれが所有する割合とともに登記されています。もちろん夫婦で築き上げた財産は、二人で使う権利があります。しかし夫名義の厚生年金

で夫婦の生活費をまかなう、妻名義の貯金を引き出して夫婦で旅行に行くと言うように、お金の出所は個人単位になっているはずです。

特に金融機関での手続きや不動産取引では、名義が重要です。大切な財産を、本人以外の人に自由にさせるわけにはいかないからです。

金融機関や不動産会社にとっては、「名義人以外は他人です。」

ある日突然、夫が倒れて要介護状態になり、医療費、介護費、生活費のために夫名義の定期預金を解約しようとしたら、銀行の窓口で「本

人以外は手続きできません」と断られてしまった。自分が妻であることや、夫本人が銀行に来ることは無理であることを訴えてもダメでし

た。こういった話は珍しくありません。そしてこのような場面で初めて、「成年後見」「後見人」という言葉を知る人も多いようです。

 ③いつまでも自分の力だけで生きていける?

  手続きが自分でできなくなったら・・・

私たちの生活の中には様々「手続き」が存在し、その都度自分で判断・実行しています。例えば行政などへの申請、携帯電話の購入や機種

変更、不動産の売買、住居の賃貸契約さらには、医療、介護、年金、相続など「年を重ねるにつれて新たに生じる手続」きもあります。

例えば病気やケガで入院することになった場合、入院手続き、手術の同意書、看護計画、タオルや病衣のレンタル契約、入院費の支払い、

医療保険に入っていれば保険会社への請求、役所への高額医療費還付の手続き、退院後に介護が必要ならば要介護認定の申請、ケアマネー

ジャーや介護サービスの契約、施設に入所するなら、施設見学、契約、入所金の振り込み等さらに多くの手続きが必要です。これらの手続

きには、法律的な義務や権利が生じる「法律行為」と呼ばれます。しかし認知症などの影響で判断能力に支障が出ると、契約自体が難しく

なりますし、なにより自分にとっての善悪しがわからなくなってしまいます。

人生の終盤に向かうに従って自分以外の「誰か」の助けが必要なる場面はどうしても出てきます。その様な時子供等の家族に頼むケースも

多いようですが、家族と離れて暮らしている、縁遠くて頼りにくい、負担をけたくない、そもそも配偶者や子供がいないという場合mあり

ます。そのようば場面は想像出来ない、考えたくないかも知れませんが目をそらすのは、得策ではなくその時に困るのは、他の誰でもなく

あなた自身なのですから。

   ④なぜ、成年後見制度があるの?

  本人のために「選び」「決める」人が必要

認知症や知的障害、精神障害等で判断能力が低下すると自分の人生に必要な様々な選択をすることが難しくなってきます。その為自分で

日々の生活を組み立てられなくなったからと言って、単位命を長らえて良いわけではありません。私たちは、それぞれの人生経験があり、

その過程で作られた価値観や好みがあります。その判断能力が低下したからといってそれらを全部捨てて「ただ生きている」だけでは、自

分の人生とは言えません。どんな状態になってもその人らしい人生を最後まで送る、その為には本人に代わって本人のことを第一に考え、

「選び」「決める」人が必要なのです。日常生活のある程度のことは、家族などが本人の代わりに対応できますが、金融機関での手続きや不

動産の売却、施設への入所など、本人以外には対処出来ない場面もでてきます。また悪意のある者から本人の財産や権利を守る必要があり

ます。そのためには、「法律的に」本人を代理できる立場の者(後見人)のサポートが欠かせません。それを解決するのが成年後見制度な

のです。

 ⑤成年後見の制度は誰のためのもの?

  基本となる3つの理念

自己決定の尊重自分の人生は自分で決める事が原則。今ある能力を最大限に活用するとともに、できる限り本人の意思を引き出し尊重す

る。その上で判断能力の低下により不十分になった部分を支援する。

身上の保護の重視財産管理だけでなく本人の立場に立った生活の組み立てを行う。

ノーマライゼーション判断能力の低下に関係なく、皆が同じ地域で暮らせるようにする。

この3理念により判断能力の低下のレベルに合わせて、本人を尊重し後見人の介入を最低限にしていきます。ですから、成年後見は、植物

状態や重度の認知症などのため全く意思疎通ができなくなってしまった人だけではなく、判断能力がすっかり低下してしまった人から少し

低下し始めた人、さらには(任意後見の場合)病気もなく、判断能力もしっかりしている人まで様々な人が活用できるものになっていま

す。

#image_title

  ⑥どんな場合に成年後見が必要になるの?

   身近な人の生活を守る必要がある時

認知症の親の預貯金の引き出しや口座解約キャッシュカードをなくした、暗証番号を忘れた、まとまった金額を引き出したい、定期を

解約したいという場合は、たとえ家族でも本人以外は手続きできない。

認知症の親名義の不動産の処分認知症などで意思表示ができない場合、不動産売買などの法律行為や手続きができない。また家族であ

っても、持ち主以外の人が勝手に売ることも出来ない。

認知症の親の遠距離介護認知症の親と離れて暮らしていて、緊急時すぐに駆け付けられない、日常の手続きや支払いなどを手伝えない

などの場合に親のそばでサポートする後見人が必要です。親自身ができない場合は、緊急入院や施設入所への対応も必要になる。

治療方法の選択や決断かかりつけ医や主治医などから、病状の説明を受け、治療方法を選択する場面で、本人が自分で判断出来ない、

または、自分で決める事に不安があるが家族がいないという状況。

認知症による詐欺被害・浪費の防止認知症の為適切に判断できず、詐欺にあったり、高価なものを買い込んで浪費したりする場合。また本人

の世話をしている親族が、本人の預貯金や年金を使いこんでる場合。

認知症や知的・精神障害のある人が相続人となる亡くなった人(被相続人)が法的に有効な遺言を作成していない限り、相続人同士で遺産分

割について話し合わなければならない。相続人の中に認知症の人や、知的・精神障害のある人がいる場合、権利侵害が起きる可能性があるため後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加する必要がある。

知的・精神障害のある人の「親亡き後」対策障害のある人の世話をしている親が入院したり、要介護者となったり、亡くなったりした場合で

も本人が困らないようにする。

自分が認知症や病気になった時に備える自分が認知症になったり、病気で入院した時に、サポートを頼める人がいない場合。特に単身者、子

供のいない夫婦などは、将来後見人が必要となる可能性が高いので、元気なうちに準備しておくと老後の不安を軽減できる。

家族に負担をかけたくない子供や兄弟、甥や姪などには、自分の介護などで負担をかけたくないという場合も、任意後見で家族以外の後見人

を事前に準備しておくことが必要です。

最後まで自分らしく生きたい自分の生活スタイルにこだわりがあり、たとえ認知症になっても「こうして欲しい」という希望がある場合。認

知症になると、自分自身がその希望を忘れてしまい、周囲に伝えられなくなってしまう可能性がある。

以上「成年後見ってなんですか?」ということで成年後見について簡単にご説明しました。今後も成年後見について記事を

当サイトのブログに載せていきますので、見ていただけるとうれしいです。

不明な点、ご相談はこちらから

お問合わせはこちらからどうぞ

電話によるご相談はこちらからどうぞ

公益社団法人コスモス成年後見サポートセンター

ページ上部へ戻る